清掃日和/
shu
深海魚って顔がでかかったり
目がぎょろっと大きく腫れ上がったりしてるし
あんまり期待していない
でもどんな子なんだろう
ひとつ ふたつ みっつ
デッキブラシに頬を預けて
シャボン玉の数を数えているうちに
目蓋の裏にひなたの欠片がゆっくりと沈んでいく
細胞膜のようなガラスの向こう
赤く透けた人魚の目
深海の眼差し
暗い海底に黒く翻る影
過去を呟く無数の泡
ピチチチ
跳ねているのは
忘れ去られた
ぼくの
尾ひれ
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