真夏の夜の夢/快晴
君の夢を見て目覚めた
午前三時
追い打ちをかけるように
太陽はまだ昇らない
夢の中でも
やっぱり君はつれなくて
誰か知らない男の腕の中
背中を向けて去って行く
汗ばんだシャツを脱ぎ捨てる
こうして私は
夢と現実の区別さえ付かず
夢の中で手を伸ばした煙草に
現実の檻の中で火を点ける
次はいつ眠れるか
そんなこと分かったもんじゃない
枕元に麦茶などではなく
焼酎を置かなかったことを深く悔やむ
二本目の煙草に火を点けて
ただ君の輪郭だけを思い出す
そして手の平に落ちた火の粉で
再び現実に引き戻される
真夏の夜の夢
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