Syncopate(シンコペート)/ねことら
ラムコークのきらきらする泡を
退屈そうに、くだき
ちらすように
わたしのやさしすぎた
まちがいを
切っていった
微粒子の単位で
つきささる凍てつきの
ちりちりする
いたみだけ、やさしいね
りょうてで囲った廃園のなかで
すこやかに育てた
ふしぎなかたちの
いきもの
なまぐさいきぼう
も
あたらしいきずあと
も
どれも大切で
眼をぎゅっと、とじれば
きこえるのは
夜の輪郭を叩く
とぎれがちな雨の
変拍子
だけ
急激にわたしから
たいおんをうばった
きせつのよびな
とおく、シャンデリアがかすかに揺れて
気がつけばきっと泣いていた
それは
いつだって
たいしたことではなかったね
しっていたよ
(プリーズ・ドント・キスミー,)
戻る 編 削 Point(5)