Arrow/ぼくら/石田 圭太
る。そこに立
ち並ぶ家々はすべてぼくらだから、出来る
ことはひとつしかないけれど。きっときみ
には意味のないもので、意味の分からない
ものだから、みんな別々に歩いていて、と
ても幸せです。
アロー、
ぼくらは産み落とされて
こころを零しながらあるく
振り返れば、
アロー/ぼくらの
受け止める傘の足りなかった
それはいびつな形をしたもの。
ずっと、とか
はるか、とか
とにかく遠いところから、
ここまで駆けつけてきたもの。
何億ともつかない星々や
よろこびやかなしみを先頭にした
たくさんの。
心臓のように重くのしかかる愛しい、降り
注ぐもの
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