さっきちょっと/よーかん
 
兄によると

ボクは垣根のすみのくもの巣を
いつまでもじっと見てるような子供だったらしい

忘年会クリスマス正月となる前に
散髪を済ませておきたくて

さっき路地裏を歩いていた

建物にはさまれた夕空に
ああ綺麗だな以外の言葉を
探しながら

少し前の自分だったら

むやみやたらと
張り巡らされた電線が
夕日に染まるあの空を

ぶつ切りにするとか
なんだとか

路地は虫かご
鳥かごだとか

そんな睨みをきかせた
思考回路を掘り起こしては

さび付いた
空き缶みたいなこの街の風景
だとかなんだとか

ありきたりな言葉に
のぼせ上がっ
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