さっきちょっと/よーかん
兄によると
ボクは垣根のすみのくもの巣を
いつまでもじっと見てるような子供だったらしい
忘年会クリスマス正月となる前に
散髪を済ませておきたくて
さっき路地裏を歩いていた
建物にはさまれた夕空に
ああ綺麗だな以外の言葉を
探しながら
少し前の自分だったら
むやみやたらと
張り巡らされた電線が
夕日に染まるあの空を
ぶつ切りにするとか
なんだとか
路地は虫かご
鳥かごだとか
そんな睨みをきかせた
思考回路を掘り起こしては
さび付いた
空き缶みたいなこの街の風景
だとかなんだとか
ありきたりな言葉に
のぼせ上がっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)