忘却の刻/doon
 

 万華の空
 凍てつく風が人々の耳を冷やし
 時代はやがて
 鐘の音を立てて
 私達人類がまだ知らない世界へと導いていく

 時間は移ろう
 当たり前であったもの達を全て封印し
 針は鋭い音を立てて離れていく

 正午を過ぎたとき
 一つの国では一つの歴史が幕を閉じる
 拍手とともに
 喝采とともに
 私達はそう
 去年死んで逝った者達のことを忘れていく

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