ミラーボール/1486 106
地下鉄を乗り継いで煌めく世界へ
一年中冬が来ない賑やかな舞台へ
ここでは誰もが死んだ目をしている
銀色の太陽が魅せる幻覚に
心を奪われ踊り続けている
カウンターに群がる夜光虫
お目当ては一番人気のメアリー
彼女もやはり死んだ目をしている
誰彼構わず安物の愛を振りまき
その対価に得た高額なアクセサリー
やがてはその重みに押し潰されるだろう
寂しさに心を凍らせたままで
私もきっと同じようなもの
死んだ目をしているに違いない
冷たく輝く銀色の太陽に
しまっていたものをすべて暴かれて
それでもポーカーフェイス気取って
誰かと似た人を探し続けている
レコードの音が途切れて
ふと我に返った
「どうしてまた来てしまったんだろう」
ラッシュアワーの車内でうたたね
いつの間にか片隅に追いやられて
まだ降りる駅が見つからない
環状線を何周も回って
やがて外が暗くなったなら
舞い戻る賑やかな舞台に
ナイフで体を傷付けるように
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