ウィンタ・トーク/あすくれかおす
灰色のメビウスを/ねじれるままにチリチリと燃やし
きょうぼくたちは焚き火をした
冬の金網をぎゅうぎゅうと握ると
割とやさしげな声で鳴く
ミチルはミチタルに/過去をあげてゆく旅程のさなかで
こちらもだいぶん薄くなったと
空の水彩に息をはく
こだまの返事をくれたのは誰
あれは山茶花/移ろいの遊子
しいの木に宿るまま有り様を
人にも風にも/伝えたかった
これから雪の解けるまで
呼吸が痺れる/月の雨夜も
巡ってはもぐる冷熱を
忘れず感じていましょうね/眠り
*
ホットケーキを皿からつまんで
朝日にかざしても
ちっとも透けたりしないけど
笑っているね/窓の人
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