F ヶ丘/水町綜助
 
  瑞々しさ

 かじかむ
 手があれは
 「かがやく町だったと言った
  なにごともない町並み
  を抜けてゆるやかに
  傾ぎながら地下鉄は春の
  空へ。出る駅前はぐるりといたるところに
  春の花いわゆる桜ってひねた物言いの、並木

 思わず、hellogoodbyeのあのどうしたらいいのか? と
 たずねてしまう
 ゆるやかな刻み、
  僕の中が
 なめらかなアルミ板の光沢なら
 それを裏側から叩いて
 叩いて 叩いて 温めて ぶったたくみたいな
 音階が上下するんだ
 この 匂いと一緒に

 流れ飛ぶバス バスの赤色と
 車窓をひらめかせては
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