眠りについて/湿児えのき
そこはいつも豆電球の点滅する狭い部屋
手(黒い影に目隠しをされると
底に墜ちてゆく、錯覚///眠らないふくろうに出逢う
知らない私は目を閉じたまま
揺れる手の、触れるままに、振れた地面へ
裸足で横たわっている
もしかして、もしかすると裸だったのかもね
私の素足は何を踏みつけたのか真っ赤になってしまい
ただ、いつ死んでも良いように裸足で眠るのだと
小さな君が笑っていた(((ここで逢瀬を繰り返せば
眠りについて、優しくあるべき姿を
沈みこむ躰に教えてあげたいだけ
私の眠りを監視する、ふくろう
君の眠りを邪魔させたりしない
陽射しの届かない静かなベッド
夜に金星を指さそうと夢をみていた
もう一度、黒い影(te が私を捕まえようとするから
やんわりとお断りし、夜を待った
そこはいつも豆電球の点滅する狭い部屋
眠らないふくろうの視線が左から右へ
私は素足になり横たわる
忘れた私は手を胸の前で組み
同じ眠りを繰り返し続けるのかもしれない
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