「夜ノ森ってどこにあるか知ってる?」と、貴方は悪戯っぽく/
小川 葉
森を探していた
いつも森のある辺りを
手探りで
人の皮膚は
思ったよりも広大で
地図を持たずに歩くことは
意外と困難で
まだ幼かった
少年が
少女に触れてしまった
はじめてのことのように
唇を噛んで考えた
僕の頭の五分刈りのように
生えはじめた
陰毛の罪について
中一の頃
中三のひとに恋をした
僕の森より
君の森は謎だらけ
あなたは今ごろ
四十一歳だというのに
僕はまだ
十三歳のままなのに
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