つめたいビールが飲みたくて/小川 葉
金曜の夜
僕は誰かを探しに行く
誰もいないその街へ
つめたいビールが飲みたくて
土曜の朝
知らない誰かと眠ってる
眠りから覚めれば
またひとりぼっちになるから
夢を見つづける
日曜の朝
家に帰ると
ぬるいビールと
つめたい女が待っていた
夢を見ていた
いつ覚めるのだろう
ほんとうの夢から
いつ戻ることができるのだろう
ほんとうの世界へ
金曜の夜
僕はまた歩きだす
君の待つ世界へ
とてもあたたかかった
君の家でまた
つめたいビールが飲みたくて
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