蝶が見る夢/アオゾラ誤爆
 
哲学者は手首を折った
色という概念を忘れようとして
僕は我慢する
排他的なその花瓶の輪郭は
多大なる想像を用いてぼくに砕かれる

涙せよ
涙せよ、と繰り返す脳内の信号は
僕の思うすべてを理解させようとしてくれない

うるせえ
うるせえうるせえうるせえうるせえ
うるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえ

新聞を破り捨てたら
空から何が降ってくるだろう
雨よりも痛い何かを僕は知っているはずだった
いつからだろう

少年は靴を捨てた
裸足で踏む匂いの無い地面から
どうやって逃げ出すかそんなことばかり
考えていたので

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