1974年のオートバイ/水町綜助
 
金色の銀杏の葉が
車道の上で
巻き上げられて
流れて
はしる
オートバイの
吹きすぎる
排気に
何か書き込むなら
こんにちはと
さようなら
なんて
テキトーに
誰も聞いちゃない
秋が綺麗に吹きすぎて
町にやたらと金色が増えて
きょん2の木枯らしに抱かれてなんてインストで鼻歌って
何をこんなにも思い出しているんだろう
太陽の金色には
思い出すことが多すぎるらしい
総天然色だったり
水彩だったり
絵筆をそろえても
うまく塗れない
あとからすこし
色味を加えて
首を傾げる

走り抜ける大通りで
街路樹の落ち葉の中を
ストップモーションのガラス
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