殺されている物語/いねむり猫
 

子供たちの物語は
殺されてしまう

大人たちには まぶしすぎて 力に溢れ過ぎていて
胸に心地よく抱いておくことができない

子供たちの物語は 世界を壊してしまう

すでに流通している感動を 賞味期限切れにして
共感されている喜びを お約束だらけの儀式にしてしまう

子供たちの物語は 
日々殺されている

親達は 子供たちの物語を 
やさしく微笑みながら やわらかく 繊細に 修正する
そして 絞め殺してしまう 
窒息させてしまう 
手足をもぎ取ってしまう

使い古された大きな物語に 付け加えられていくのは
子供たちの物語の 無残な遺体

子供たちの体
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