時間と認識−「存在の彼方へ」を読んでみる13(2)/もぐもぐ
思い出されたりすることはない(「喪失」された「経過」である)。
なお、論理上、このような「誕生」は、生物学的幼少期にのみ起こるわけではないだろう。私たちは常に新しい「意味」(「認識」)を獲得し続ける。その限りで、私たちは、常に「誕生」し続けている。多くの「未だ知らない」意味(認識)を待ち望んでいる私たちは、ある意味その「誕生以前」、すなわち「起源以前」の段階にいる。
「起源以前」にいることの意味は何か。それは「他者」に「晒されて」あることである。普通の言い方をすれば、「認識」成立のもとになる「経験」や「言葉」に「晒され」続けることである。「晒され」続けた結果、<語ること>が成立する。私たち
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