冬/蒼木りん
初冬には砂糖のような雪
明けた冬にはザラメ雪
ちっとも甘くない空のオシッコ
ネコヤナギや梅の枝を
瓶に挿して風呂場に置くと
1月に花が咲くから
毎年
編み物なんか飽きて
そんなことするのはわたしだった
嫌だけど
やらないわけにいかないことを
楽しくする方法は
自分の掘った落とし穴に落ちないこと
枯れ草で結んだワナに
足をひっかけない賢さ
だけど
靴下は毛玉だらけ
藁くずだらけ
タイル張りの
冷たーい寒ーい風呂場に置いてあったのは
みどりいろのメリット
あの匂いは昔と変わったのかな
人は冬眠できないから
(すればいいのに)
酒飲んで煮物食って
堀炬燵で猫を踏んずけながら
テレビ見て寝たい
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