片恋/小川 葉
 
 
羽がなくても
ひとは空を飛ぶ
鳥でした

片方をなくしてしまった
羽を見つめながら
ひとは
時々そう思うのでした

かつて
手をつなぎあって
羽ばたいていた
時間がありました

片恋とは
そういうものでした
 
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