僥倖/
鮎
から
それが 不思議 だとしらない
・
魚たちは一心に夜を渡る
身をよじってわたる
うろこがはがれて
はらはら 光る
そういうふうに作られた
さかなの群れを
そういうふうに作られた
夜の光が照らしている
一心に渡るさかなの群れを照らしている
夜の時間は
流れていく
そういうふうに作られたから
さかなたちは
それが とめどなくおおきな
僥倖だと きづかない
戻る
編
削
Point
(4)