僥倖/
 
から

それが 不思議 だとしらない





魚たちは一心に夜を渡る

身をよじってわたる

うろこがはがれて

はらはら 光る


そういうふうに作られた

さかなの群れを

そういうふうに作られた

夜の光が照らしている

一心に渡るさかなの群れを照らしている


夜の時間は

流れていく



そういうふうに作られたから

さかなたちは

それが とめどなくおおきな

僥倖だと きづかない




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