やがて飛び立つあなたに残されるわたしは/あずみの
何度この道をあなたと通っただろう
初めて一緒に歩いたときは
まだ寒くて上着を着ていた
わたしの体力がなくて
ゆっくり歩いてもらったことを覚えている
トラックの巻き起こす粉塵に
届かない文句を言ったり
道路に倒れ命を落とした猫に
手を合わせて祈りを捧げたり
歩道をもぞもぞと進む毛虫を
悲鳴を上げて避けたり
縁石の傍らで死にかけていた蝶を
掬い上げて助けたり
芽吹いていく山を日々見守って
咲いては散ってゆく花々を見送って
雨の日もあった
水溜りを子供のように飛び跳ねた
風の日もあった
風に乗るように軽やかに歩いてい
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