ヤスオ永遠に/サトタロ
当時の戦場では松ぼっくりが主要な武器で
戦闘は健全そのものだった
最前線に配置されたヤスオは元高校球児で
肩が強かった
一時停戦期間中に境界線上で
季節外れの花火大会が開催された
その最中に戦闘が始まり
多くの非戦闘員が逃げ惑う中
ヤスオは携帯を許されていた松ぼっくりで敵を迎撃した
戦闘は停戦に反対する一部過激派が起こしたもので
両国政府はテロ行為と断定し
過激派の掃討作戦を共同で行うと発表
ヤスオは若くしてその作戦のリーダーに抜擢された
ヤスオは果敢に前線に赴き
過激派たちに松ぼっくりを投げつけた
ヤスオは痔で悩んでいて
レタスの葉を尻に当てていると治るという迷信を信じていた
レタスの葉で尻を拭くこともあった
レタスの葉と松ぼっくりにたいした差はない
ヤスオは海水浴に出かけ
海で泳いでいる最中に過激派の報復にあった
レタスの葉を腰に巻いたヤスオの死に顔は安らかだった
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