異国/
エチカ
好きな人が生きていた
何度も死ぬと、言っていたのに
ばたりと出合った街の角
生きていないのかもと思っていたのに
生きていたから悔しくなった
生きていたら言うことを
たくさん抱えた唇が
冬の寒さに怯えてつぐみ
まっ赤に染まった冬の街
「うそよ、うそよ」ともらした息が
びっくりするほどまっ白で
頬や唇にちる雪が
溶けてながれた赤い街
泣きじゃくった道端で
きゅぅんと鳴いた心の臓
淡雪を
初めて知った東京で
鳴いているのは
ゆき遅れた渡り鳥
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