折り鶴/かいぶつ
あなたが
折り鶴になった
折り紙セットの中に
たった一枚、封入された
金色を選んで
目を覚ますとあなたはすでに
きれいに折られていて
羽を広げてやると
テーブルの上で
くるくる回って見せた
わたしはあなたの
いちばんあなたらしい姿を見ながら
暮らして行けることが
嬉しかった
わたしの様態が悪化して
あなたのために少しだけ開けておいた窓も
体を冷やしちゃいけないからと
先生に鍵までかけられてしまい
あなたにも以前ほどの
元気が見えなくなっていた
小さくしぼんでしまったあなたを
もう一度ふくらませてやりたかった
わたしは花瓶の横に倒れた
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