プレゼント/小川 葉
 
ていた

人形のお墓はどこにあるの?
と聞いて、母さんを困らせたりしたけれど
それ以外はどこにでもある
クリスマスの一日だった

やがて僕は大人になって
人形にとてもよく似た人と結婚した
たいそう幸せに暮らした
長い歳月が過ぎ
いつしか人形になった僕は
プレゼントの箱に
きれいに収められた

サンタクロースがやって来る
音を遠くに聞きながら
君が誰なのか
誰だったのかはじめて知った

ありがとう
という言葉の意味だけが
永遠に消えなかった
 
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