プレゼント/
小川 葉
ていた
人形のお墓はどこにあるの?
と聞いて、母さんを困らせたりしたけれど
それ以外はどこにでもある
クリスマスの一日だった
やがて僕は大人になって
人形にとてもよく似た人と結婚した
たいそう幸せに暮らした
長い歳月が過ぎ
いつしか人形になった僕は
プレゼントの箱に
きれいに収められた
サンタクロースがやって来る
音を遠くに聞きながら
君が誰なのか
誰だったのかはじめて知った
ありがとう
という言葉の意味だけが
永遠に消えなかった
戻る
編
削
Point
(6)