膨張する宇宙に引き裂かれる僕ら/あずみの
 
ひとが個である以上
どれだけ相手を愛しく想っても
決してひとつになることはなくて
触れ合う肌と肌の隙間には
宇宙より果てしない距離がある

その隙間が切なくて哀しくて
必死に抱きついて抱きしめて
それでも僅かも埋まらない無限空間
気持ちを寄せ合って擦り合わせて
それでも完璧には重なり合わない無窮空間

宇宙は膨張し続けて
気持ちも肌も重なり合い続けることはない
次第に離れていくそれを誰がどうして止められる?

その永遠にも等しい孤独に耐えられずに
人は他人を求め続けるのだろう

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