愛車の傷 /服部 剛
 
散歩帰りに立ち止まり 
我が家のガレージに停まった 
親父の愛車を眺める 
右前部には2ヶ月前 
免許取り立てで 
調子にのって 
ガードレールに擦った傷 
もちろん反省したのだが
凹んだ気持でいたのだが 
家計の事情で傷を治せぬまま 
気がついたら2ヶ月 
親父に頭を下げたあの日 
むすっとしていたイカつい顔を忘れたように 
自分の部屋でお気に入りの曲を流して 
パソコン画面で麻雀している 
姿を見れば 
もう「ごめんなさい」を 
口にしなくとも 
不思議なほどに 
申し訳なくなってくる 
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