僕/君/僕と君/nonya
 
「僕」

僕が僕である認定書を落としたのは

早春のこそばゆい若葉の中

僕が君でない証明書を探していたのは

初冬の血の気の失せた枯葉の下



「君」

地方都市のヤンキーだった時の君のニオイは

君が特定郵便局のマドンナだった時も

君がスキー場で拾った天然果汁だった時も

僕の海馬にまとわりついて離れなかった



「僕と君」

僕の「好き」と君の「好き」の

微妙な響き方の違いを

ハーモニーだと錯覚してしまう

そんな病気をずっと患っているらしい



戻る   Point(7)