薔薇夢跡/
まどろむ海月
{引用=
? 薔薇中毒
愛しい薔薇の
深紅の花びらが
狂おしく息もつけぬほど
降りそそいだ
あの頃
夜毎の夢の中でさえ
貴女の馨りは
深く ふかく
私を酔わせたのでした
気づいてみれば
私は薔薇中毒
貴女の気配が
感じられない日々
心が引き裂かれるほど
禁断症状に悩んで
? 発条仕掛けの夢
高い空から
海辺の工場に
舞い降りる私
廃屋の
錆びた鉄扉に
射しこむ斜光
双子の影の源に立つのは
発条仕掛けの悲しい自動人形
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