雨音光、少女の運ぶ/石田 圭太
ど美しいと純粋におもう
喉をおもう
ばらばらになって
どこまでも細かくなれば
どこまでも拡がってみえる
無数の水溜まりの中、膝を抱え
ている無数の。そして抱くため
の、が降り注いで。きれいな部
分も、きたない部分も、分け隔
てない解体がはじまり。すっか
りと祈りに近付いた。けれどな
れない。どれだけ丁寧に選り分
けても、組み直せば。大切なこ
とは失われる想いをして。そう
でないことは忘れる。後は同じ
形に育って。薬品の匂いの立ち
込める、かぞく、という言葉。
みんなよく似ていく。血を分け
た
人間が一人入る位の器に
生きた
と書いてある
知った人のことだとおもい
それを背負って何処までもいく
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