流星群/南円陣
 
若い感情は、体を這う蟻の群れ。
冬の晩、流星群に期待がふくらんだ僕らは、コートを着て寒い外に出た。

風船みたいに漂いたかったけど、じっと
公園の夜空に降る星をみていた。

みんな流れては消えてゆく、短いのもあれば長いのもあった。

両手をふりながら走り回りたかった。

しかし流星群は蟻より短命、
星の命は、蟻の大群に喰われた頃の思い出となった。
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