「無鉄砲社会読後感」の読後感/小川 葉
あなたと
ともに死ぬつもりになって
恋をしたい
というときの
あなたとは
あなたなのか
あなた以外なのか
そのどちらでもないのか
わからないまま
あなたと恋をしたい
わたしがここにいる
三十九歳は
そう思いながら
社会について考えはじめる
そうしたいわけでもないのに
そうしなければ
三十九歳ではないような
ただそれだけの気持ちで
ポオズをとってみる
引き金を
いつでも引ける
それも三十九歳だった
わたしが
わたし以外でも
あるいはそのどちらではない
死者あるいはまだ生まれていなかった
その向こうにだけ存在してる
わたしというものを
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