初雪/小川 葉
 
 
つたわらないのは
ことばなの
あるいはぼくの
そんざいなの

あなたは
残り香になって
いつもここからいなくなる

この初雪みたいに
かたちもなくとけてゆく
てのひらのなかで

無口なのは
気持ちがつたわったからなの
まだ気持ちが
たりないからなの

どっちかなんてわからない
からだには熱しかないものだから
とかしつづけて
ぼくはくるしんで
みたりした
 
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