初雪/
小川 葉
つたわらないのは
ことばなの
あるいはぼくの
そんざいなの
あなたは
残り香になって
いつもここからいなくなる
この初雪みたいに
かたちもなくとけてゆく
てのひらのなかで
無口なのは
気持ちがつたわったからなの
まだ気持ちが
たりないからなの
どっちかなんてわからない
からだには熱しかないものだから
とかしつづけて
ぼくはくるしんで
みたりした
戻る
編
削
Point
(4)