伯楽寮/guchi_k
ガラスがバリバリ壊され 窓枠が積み上がる
窓が無くなり
ポッカリと口を開けた暗黒
吸い込まれそうな闇の入口
ガラスと金属とプラスチックの
髪と皮膚と爪と目玉は引き剥がされ
血にまみれた鉄骨の恐竜は
二匹の首長竜に襲いかかられ
ビキビキと激しい音を立て
悲鳴をあげ 喰われ行く
木の肉は喰い尽くされ
後には噛み切られ食い散らされた骨が
散らばるのみ
瓦礫の山に猫が佇む
首長竜が横たわる脇で
火葬の火が燃え上がる
別れの祈りに満ちて
その火に浮かびし顔顔顔
生命の輝きのごとく
火の粉が舞い上がり
静かに闇に溶け行く
そして、大気へと還ってゆく
[080405〜1105]
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