アラスカ〜シアトルのビールと雑誌と/鈴木もとこ
 
アラスカへ行こうと思った。
きっかけは、本屋でふと目にしたアウトドア雑誌のグラビアだった。
「特集アラスカ」
 広い空。雪を頂いた山々。太陽に輝くカリブー達。自分の住む北海道と似たものを持って
いながら、全く違う空気が写し取られている。その写真の美しさに一瞬で魅せられていた。
 その日から毎晩同じページをめくり、遠い場所に思いを馳せた。
今頃はもうオーロラが波打っているんだろうか。カリブーは移動を始めたのだろうか・・・。
本屋でアラスカが書かれた本を見つけると少しずつ手に入れ、とうとうアラスカ在住だった
写真家星野道夫のエッセイと出会う。彼のアラスカに対する優しい視線。エッセイを通
[次のページ]
戻る   Point(3)