モノクロ眼鏡/ さくら
 
わたしの枕元に
秋が沈む

繰り返される朝と夜の狭間で
少しずつ吸い込まれていく夢は
ふゆ色に染まり
朝、白い朝を始める

日々、零れ落ちる感情たちは
ばらばらに敷き詰められていて
白と黒の模様になった夜に
再び返してくれるから

また、泣きそうになる


今夜もハラリ、ハラリ
寒気が木の葉と踊っている


窓の外を眺める黒猫は
鈍いゴールドの瞳を輝かせ
狙いを定めている


きみのその瞳の先には
モノクロ世界が広がるから
虹の色でさえ、ただ一つの
空の汚れでしかなくなってしまう

季節を覚えながら
誰かの足音を辿っているきみは

自らの色に振り返るのだろう

ごろごろと
上手に甘えながら

戻る   Point(6)