凜と/見崎 光
 

安っぽい愛など求めていない
奪われた者の負け
焦がした者のエゴ
負の作用に従ったなら
正当化すべきではなく
むしろ認めるだけの愛嬌が欲しい


高価な愛など必要ない
与えられるだけの退屈
中身の薄い虚栄
連鎖する負を理解されぬまま
美化されてゆく交差のない歩調
ズレた視点を修正する器用さを持ちたい


理想に溺れてしまっては
着こなせない愛に縛られるだけ
現実に浸ってしまっては
履き馴れた愛に絆されるだけ


調律が難しいからこそ大切と想える
節度が在るからこそ
かけ離れてしまう望みと成り行き
それが本来あるべき姿で
共鳴し合った魂の音だとしたなら
理屈だらけの説明を考えずに済む
理想と現実は確かに違う
だからこそ私は
ふたつの狭間で
凛としていたい





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