この螺子は叫びながら/伊月りさ
 
マイナスで
解体して
解体してしまって
壊れたドアーの向こうにいる
そういった絶対の
ひとりを繋ぎたい、
ひとりを繋ぎたい、
ひとりのあなたが、わたしにはわかります、
兌換性のない情熱が
振り回すドライバーで
螺子は外れて
いるけれど、わたしは
生きています、わたしは
愛されています
死んだことに気がつかない愚鈍は
恍惚にゆらめく一種の愛情であると、わたしは
信じています
ずんぐりとした小さな背中、
とても、あたたかかった、あの日
とても、あたたかかった、今日も
わたしの螺子は日本語で
叫びながら回転をして
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