大輪かがり/わら
 
だれに愛されるわけでもなく 
だれを愛するわけでもない
 
あなたはあなたのままでいて 
わたしはわたしのままでいる 


独り歩くということの 
ゆき場も見えぬ哀しみの 
さまよい照らす、まなざしの先 

大輪にしきつめた太陽か 
夜道を歩くたましいか 

生まれて死ぬや 
輪廻や 
未来 

ぼんやりと浮かぶ、そんな言葉も 
今、漂うにおいよりも儚い 


すこし、煙が目にしみる 
だれかがベッドに横たわっている 

「どこから来た?」とか
他愛もない話 

そう、他愛もない話 

「明日はどこかに
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