常夏/よしおかさくら
 
彼はまだわたしと
常夏にいる
半年の後には
都会に戻るだろうと云っていた彼がだ
確かに
都会に帰っていた時期もあった
度々帰っているとも云える
けれども
四年経った今でも
彼はまだわたしと
常夏にいる
わたしをくすぐり
わたしに笑いかけ
嬉しそうにしている

夏に住むことに決めたのは彼だった
彼の居易い場所にわたしが合わせた
月は丸く大きく高く昇り
風はひんやりとしている
戻る   Point(5)