甘い雨/かいぶつ
 
街には雨が降り
明度と色合いの
均衡が崩れてゆく
すべてはモザイクがかり
街灯が路上で溺れている

色とりどりのパラソルが咲き
人はその中で足首を濡らす
少しずつ雨水を吸水してゆく
甘みを増し
人間味を増してゆく

人は水分を
含み過ぎているから
時々、熱を帯びて余分な水分を
蒸発させる必要があるんだ
熱で分解された
甘みと一緒に

空には人の甘味が
程よくブレンドされた
蒸留水の海が広がっている
明日降る雨は
今日よりもっと
甘い

そして明日歩く
君や、僕も
今日よりずっと
甘くて、つややか
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