untitled/かとり
 
雨をくぐる
ぼくはゆっくりあっちのほうへ
大音量の歌は最小限の寝返りで
あたらしいノートのちいさな日付はささやかに
送ってしまったメールを
残ってしまった花火を
けぶってしまった青空を
とじた瞼も
いっぱいに閉じた

遊歩道はいっぱいにふくらんで
そしてぼくは雨をくぐる
ポケットにいっぱいの
ズボンをずらしたら
またゆっくりと
そっちのほうへ
ずれていく
今から
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