熟眠/宮川
 
 
 それは私の体温に過ぎませんが
 開放への安らかな入り口です
 眠るときは
 呼ぶ声もありません
 何も要求されません
 最も信用のおけるものにくるまれて
 眠りは
 ちいさく破滅を繰り返したあとを
 労うようです
 浮かんだり沈んだりする灯を
 遠くから眺めているのです
 その眸もとざして
 私は純粋に私でありながら
 私を離れます


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