白昼夢/しもつき七
 



とてもしなやかに
折れ曲がる森があったので
そうではない多くの部分は昼と呼ぶことにしていた
迷い込めない、かくれられない、だからみんな怯えて
おびえるべきであって


きみが発光体であることに
初めて触れたとき、森は泣いたとおもう
傷口から血がもれださないように
かくまっていた光だったのにね


もっと
尖れ尖れと
はがれていく/こわされながら/うまれながら




あれが焼失だったんだ。森はたおやかな両腕できみをしめつける。左右の回転覚なんてもう奪われた、六月の蒸したにおい。うそにできないんです、その名前を

おそろしかったね

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