青いベッドに咲く/湿児えのき
青いベッドに咲いている牡丹が
枯れてゆくのを君とふたりで見ている
君は枯らすまいと水を撒き肥料を与え
世界の終わりを待つように震えている
その隣りで煙草をくゆらせながら笑う
例えば
君の震えが世界の終わりを危惧するものだとしても
きっと僕は君の隣りで同じように笑っているだろう
もしも君が嫌がって泣いたって隣りで笑ってやろう
僕にはそれくらいしか出来ないけど十分だろう
花弁が一枚また落ちた
枯れてゆく牡丹と僕たち
青いベッド あの日のこと
思いだしていてよ
猫背の君がこっち見てる
喫緊事?馬鹿馬鹿しいね
牡丹の花は枯れてしまうべきだ
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