少女時代/よしおかさくら
詩を読んでいるとたまに
良いことがある
不意打ちでイった時みたい
前戯は必要だけど
前触れはできれば欲しくない
あの頃聴いていた曲は
なんだったろう
思い出しかけただけで
胸が苦しいのだから
きっと
切ない恋をする前
海に
シーツに
空に
沈み込んで
聴いていたよ
雨が降ってきたっけ
ぽつぽつ音がして
空は明るいまま
どうしようか悩んでるみたいだった
ねえ
雨くらい平気
そう言ってみせてよ
どうしてかな
傘にしがみついているのは
嫌なの
あなたを嫌いになりそう
嫌い
傘を差して思い出している
少女時代
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