<SUN KILL MOON>-fine/ブライアン
それらの答えが何になるというのだろう。ただ、指差す言葉があった。指差す視線があった。それらが正しい場所へ導こうとする。ここが月であったとしても。地球であったとしても。視線は「他人」に触れる。その視線は重なる。
1枚の紙が机の上に置かれていた。その横、ペンが転がっている。紙。2つの円が描かれている。2つの円は中央部で重なっていた。その部分が黒く染められる。強い筆圧で。矢印が伸びる。その先、魂という文字が書かれていた。天井に向けられたタバコの煙は、空中で消えた。友人はその煙を追う。タバコを持った手を口もとへ運ぶ。もう一度煙を吐いた。同じだった。煙は消えた。魂になったな、と友人は言った。部屋の中
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)