good-by/氷魚
 


「許してね」

ひとつ
苦しい泡を吐き出す
その度に前へ進む

「いいよ」

眼を閉じた
ボクの胸に
其れはポツリと灯る

桃色に染まった
くるぶしに
唇を当てて語りだす

躰から剥離された
頼りない鼓動は
ここに残され
それでも動く

「でもね、ほんとは」

目蓋に澱む涙
君の旅立ちを喜びながら
 
有難う
許してね
いいよ
でもね、ほんとは

ほんとは、一緒が良かったんだ

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