香水は知らない/
智哉
彼の香水は大好きな薫り
マフラーに残った移り香が彼を思い出させる
あのけだるそうな話し声も
甘えたわがままも
意地悪な焦らし方も
全部香水の薫りより愛しい
決して鳴らない大好きな着信音
有線から聞こえる曲があなたを思い出させる
その気取らない真っすぐな愛情表現も
不器用なキスも
面倒なヤキモチも
全部ぜんぶ愛しい
香水の薫りに包まれている今夜でも
香水をつけないあなたが誰より愛しい
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