眼鏡のせかい/
小川 葉
眼鏡をかけて
泳いでるこの世界は
海の底
けっして
外してはならない
溺れてしまうから
眠るときだけ
外します
息を止めて
眼鏡から
あふれる海の中へ
目覚めると
そこは水びたしの朝
眼鏡をかけて
夢を探しに
また海の中へ
眼鏡を通して
世界からせかいへ
私からわたしへ
いつもそのように
戻る
編
削
Point
(3)