ドライ/チグトセ
 
奨学金の返還誓約書を提出しなきゃいけないとかで
今日、はじめて三号館という建物の七階までのぼって
はじめてそんな高い場所からこのキャンパスを見おろした

僕は、
四年もこの学校に通って
その場所についてほとんどなんも知らず
もっとすべきことはたくさんあったんだ。
とてもぼんやりと正直に思う
なぜあの聞こえる笑い声のなかに溶けこむことを
しなかったんだろう
オレンジ色の回路、
そのうえにぼさぼさの黄昏がのさばって
ひときわ目立って残響する
あの大学生然とした笑い声

それはなんだかノスタルジックで
幻聴のようで
なぜか喉が渇く。


僕の見聞きしたあれこれ
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